幸せになる方法
(幸せとHappyの語源は同じだった)

2018/11: 発行


はじめに


幸せになりたーい。


そう思ってネットを検索すると、下にある様にそれこそ数千万件ものHow to記事が表示されます。

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そして具体的な中身を見ると、以下の様にいつかどこかで聞いた様な美しいフレーズで溢れかえっています。

他人を羨ましく思うな。
プラス思考になれ。
いつでも笑顔でいろ。
物欲を捨てよ。
今が幸せだと思え。
嘘をつくな。
人には親切にしろ。
今を大切にしろ。
夢を持って生きろ。

これ自体を否定する気は毛頭なにのですが、とてつもない聖人君子でもない限り、こんな事を常に実践できる人は世の中には誰一人としていないでしょう。

幸せになりたいのであれば、まるで人間を止めろと言っている様なものです。

だったら幸せになる事はできないのか、と尋ねられたら、そんな事はありません。

少々オーバーかもしれませんが、人類の歴史に裏付けされた、実現可能な方法が一つだけあるのです。

かなり予想外の結論だと思いますので、是非最後までお読み頂ければと思います。


幸せとは


さて、幸せになる方法を語る前に、そもそも幸せとは何かについて述べたいと思います。

ごくごく一般的には、心が満ち足りている状態だと知られています。

美味しい物を食べたとき、旅行に行ってのんびりしたとき、欲しかった物を手に入れたとき、ささやかながらも幸せを感じる一時かもしれません。

それらはどれも、努力して努力して報われた結果ですので、思いっきり幸せを噛みしめて頂きたいと思います。

ですが、それらは元々の日本語の語源である”しあわせ”とは少々異なるのです。

では一体どこが異なっているのでしょうか?

それが分かれば、もしかしたら現代人の我々でも本当の幸せを掴めるかもしれません。


しあわせの語源


ご存知かもしれませんが、”しあわせ”とは元々、”仕合せ”、或いは”為合せ”と書きます。

仕合せ”は当て字なのですが、”為合せ”の””とは”なる”とか”する”の様に行為を表す文字です。

ですので、”為合せ”の意味は、二つの行為が合うという事で、”めぐり合わせ”を意味していました。

もっと端的に言えば、しあわせとは”運命”とか”出会い”の様に、”予期せぬ出来事”を指していたのです。

当然ながら”予期せぬ出来事”には楽しい事もあれば辛い事もあるのですが、その負の要素を持ちながらも、現在の幸せの意味に至っているのです。

何が言いたいかと言えば、現在の幸せは心が満たされた状態を指すのに対して、元々のしあわせは、予期しないで唐突に起きる事で、その中には辛い事も含まれているという事です。

これだけでしたら、日本独特の話で終わってしまうのですが、実はもう一つ興味深い話があります。


Happyの語源


それは、英語のHappy(幸せな)です。

Happyの語源をご存知でしょうか?

Happyに似た単語ですので、勘の良い方なら直ぐに思い付かれるかもしれません。

そうです、そのHappen(起きる)なのです。

ハプニングと聞けば、どなたも予期せぬ出来事だとご存知だとは思いますが、Happyの語源も正にそれなのです。

すなわち、日本語も英語も予期せぬ出来事を幸せの語源としているのです。

これはかなり興味深い事実ではないでしょうか?


幸せとしあわせの違い


ですので、前述した美味しい物を食べた時の様に、努力して報われた事は、幸せではあるものの、本来の意味での”しあわせ”には完全には該当しないという事です。

なぜならば、それらは全て前もって予期していた事だからです。

では、予期しないで起きる良い事とはどんな事があるでしょう?

宝くじに当たった場合や、好きな人から突然プロポーズされた場合を思い浮かべるかもしれませんが、それは確率が低いと言えども、やはり少なからず予期していた事です。

となると、お伽噺(おとぎばなし)のヒロインの様に、白馬に乗った王子様や、かぼちゃの馬車の突然の登場でしょうか。

あるいはハリウッド映画の様に、見知らぬ遠い親戚から莫大な遺産を相続するとか、空から紙幣が降り注いでくる事でしょうか?

そんな夢の様な話でしたら、しあわせやHappenが、長い年月を掛けて日常的に使う幸せやHappyに変わるとは思えません。

しあわせはもっと身近にあって、それはかなりの頻度でやって来ると思って良いのではないでしょうか?

でも悪い事だってある。

だとしたら、それは何でしょうか?


しあわせとは何か


幸せとHappyの語源を知って頂いた所で、是非皆さんも考えて頂きたいと思います。

しあわせとは何でしょうか?

キーワードは以下の通りです。

しあわせとは

めぐり合わせ
運命
出会い
予期せぬ出来事
身近にある
頻度も高い

これをご覧頂きますと、何方も思い着く結論は同じではないでしょうか?

しあわせとは、人と人との出会いを指すのではないでしょうか。

そう考えると、確かに見知らぬ人と話すのは、多少の緊張もあるものの、楽しいものです。

また色々な考えを知る事ができ、刺激になりますし、場合によっては人生を変える程のインパクトがあります。

ただし出会わなければ良かったと後悔する場合も、当然あるでしょう。

ですが、もし人との出会いが幸せの語源だとしたら、そんなリスク負ってでも人と接するべきだと教えてくれているのではないでしょうか?

実際何のリスクも負わずに、良い事だけ手に入れる事など、現実的には不可能なのですから。


幸せになる方法


もしこの推測が正しいとしたら、幸せになる方法は至極簡単です。

多少のリスクを負ってでも、見知らぬ人に積極的に話し掛ければ良いのですし、話掛けられたら心を開いて返答すれば良いのです。

最近の風潮としては、間違いなく見知らぬ人を警戒すべきとの傾向がありますが、それこそが現代人が幸せになれない大きな理由の一つかもしれません。

また昨今の晩婚化や、おひとり様の増加、ひいては少子化の根本原因かもしれません。

確かにニュースやテレビドラマを見ると頻繁に事件に巻き込まれそうな気がしますが、はっきり言ってその確率は宝くじに当たる確率より遥かに低いのです。

そして万一そんな危険な場面に遭遇しても、賢明な貴方ならいくらでも回避する手段をご存知のはずです。

また一度(ひとたび)その人との出会いを拒(こば)んだら、いくら後悔してももう二度とその人と出会う事はないのですから。

どんどん見知らぬ人と話しましょう。

そうすれば、間違いなくしあわせを掴めるのです。

うまくいけば、人生の伴侶も見つかるかもしれません。

そう言うと、問題が発生する可能性はゼロではないので無責任だ、という指摘が間違いなくあるでしょう。

だったらそう言う方に、問いたいと思います。

ならば貴方は、人が幸せなれなかった責任を取れるのかと。

リスクをしっかり認識した上で、行動する。

これこそ現代人の鉄則です。

長くなりましたが、本書がお役に立てば幸いです。




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